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産後のカラダを解説

産後のカラダは自分で思っているよりも大きなダメージを受けています。

「予想していたより動ける・・・」

「赤ちゃんのお世話もあるし、ゆっくりなんてしてられない。」

と、いきなり出産前の生活スタイルに戻そうとすると、その後思わぬ不調に悩まされてしまうかもしれません。

今回は、産後のカラダはどのような変化がおきているのか。

無理をしてはいけない理由や無理をせずに生活が送れるような工夫まで、詳しく紹介していきます。

ぜひ最後まで目を通して、産後の生活の参考にしてくださいね。

産後の産褥期はできるだけ身体を休める

産後には「産褥期」という時期が存在します。

この時期は「カラダを休める時期」となっており、産褥期の「褥」は布団を意味します。

産後、ご両親やおばあちゃんなどに「布団は敷きっぱなしにしておきなさい」といわれることがあるかもしれません。

昔から、産褥期は身体を休める必要があると考えられてきました。

なぜ、産褥期の生活に注意が必要なのかというと、産後のカラダには知らず知らずのうちに蓄積されたダメージがあるからなのです。

産後のカラダの変化

産後は様々なカラダの変化が起こります。

起こりうる変化や対策を事前に知っておくことで、自分にこれから起きる変化に余裕をもって向き合うことが出来ます。

身体の疲れや子宮の変化

まず、出産自体がとてもハードです。

長い陣痛で、疲労が蓄積したカラダだけでなく、出産によって骨盤底筋にが伸びたり傷ついたりしています。

これによって、尿漏れや臓器が下に下がってしまい、ぽっこりお腹になってしまうなどの変化がおこります。

無理をして動くと、この骨盤底筋が戻らなくなってしまうことも。

対策としては、なるべく横になって安静にし、骨盤底筋の回復を待つことが重要です。

精神面の変化

環境やホルモンバランスの崩れから精神的に余裕がなくなってしまいます。

マタニティーブルー。

いわゆる「産後鬱」がおこる割合は、10~30%とも言われています。

マタニティーブルーは防ごうと思ってもなかなか難しいものです。

環境の変化やホルモンバランスが整ってくるにつれ、自然と治ってくる場合もあります。

しかし、周りからの孤立感が増したり、やることが多すぎるあまり余裕がなくなってしまったりするとさらに悪化してしまう可能性も。

悪化を防ぎ、産後鬱から早期に脱却するためには、「疲れた」「つらい」と少しでも感じた段階で、パートナーや育児支援サービスにサポートをしてもらうことが大切です。

ホルモン分泌減少による変化

妊娠中に分泌されていた「エストロゲン」というホルモンが産後急激に減少します。

それによって、髪が大量に抜けたり肌・髪・性器のうるおいが低下します。

なかなか眠れないという環境の変化と相まって、鏡を見たときの自分の変化に落ち込んでしまう人も。

しかし、ホルモンは徐々に戻っていきますし、それに伴い肌艶も以前のようになっていきます。

焦らず、考えすぎずに生活していきましょう。

また、性欲も同時に低下するため、夫婦のコミニュケーションも自分のカラダの状態にあわせ、無理をせずに行いましょう。

環境の変化

赤ちゃんとの生活が始まると、夜泣きや夜間授乳などで、まとまった睡眠時間がなかなか取れません。

「睡眠時間が取れなかったことが、産後一番つらかったことだった」という方も多くいるほどです。

対策としては、昼間、赤ちゃんと一緒にこまめに睡眠をとったり、育児支援サービスを利用したりして、睡眠時間を確保していく方法があります。

このように、産後は自分のカラダにも環境にも大きな変化が訪れます。

そのため、無理に出産前の生活に戻ろうとすると、身体に思わぬ負担が掛かってしまうんですね。

変化したカラダや環境に合わせながら、周りと協力して生活していくことがとても大切になってきます。

産後は、時期によって生活スタイルを変えていく

産褥期は6~8週間あります。

出来るだけ安静にすべきですが、全く動かないわけにもいかないのが現状ですね。

では、時期によってどのくらいまでなら動いていいのか簡単にまとめておきます。

あくまで、「安静にする」が前提ですので、その点は忘れないでくださいね。

産後2週間まで⇒絶対安静。

赤ちゃんの授乳やおむつ替えなど赤ちゃんのお世話のみにしましょう。

家事はパートナーや両親・家事支援サービスなどを利用しましょう。

産後3週間⇒家事の一部を行える。

家事を全部こなしたり、立ち仕事や長時間の外出など体に負担のかかる行動は避けましょう。

産後4週間⇒1か月検診があります。医師に状態を診てもらいましょう。

子宮の状態などを確認してもらい問題が無ければ、短時間の外出など息抜きをしてみましょう。

しかし、まだまだカラダは回復しきれていません。

油断せず、カラダに負担のかかる行動は避けましょう。

産後5週間~⇒悪露が落ち着いていれば、湯船に入れるようになります。

授乳や抱っこなどでたまった疲れを、湯船につかって取りましょう。

この時期から、家事なども産前のようにできるといわれていますが、産後のカラダが元に戻るには1年ほどかかります。

つまり、まだまだ回復途中ですので、無理をせずできる範囲で行いましょう。

産後カラダの回復を早めるために

産後の回復を早めるためには、必要な栄養を取りながら身心にかかる負担を少なくして生活していく必要があります。

必要な栄養素

  • 葉酸
  • ビタミンC
  • タンパク質
  • カルシウム

葉酸や鉄分は血液を作るために必要です。

母乳は血液からできていますので、母乳育児の場合は特に意識して取っていくようにしましょう。

また、ビタミンCはそれらの吸収を助け、タンパク質は疲れたカラダの回復に、カルシウムは妊娠・出産で不足しているため補う必要があります。

また「まごわやさしい」という言葉に沿って食材を選び、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、疲労回復や健康な生活をおくれるようになります。

こちらは、別の記事で紹介していますので、そちらを参考にしてみてくださいね。

お助け育児グッズの活用

産後の育児は、授乳に寝かしつけと、今まであまり使うことが無かった筋肉を使います。

肩こりや腰痛・腱鞘炎などなになってしまうこともあり、そうなってしまうと、さらにカラダに負担が掛かってしまいますね。

負担をできるだけ減らせるよう、バウンサーやハイローチェアなどを利用して、寝かしつけにかかる負担を軽減していきましょう。

育児支援サービスを利用する

産後のカラダを回復させるためには

  • 産後のカラダの変化を理解し、無理をしない
  • 必要な栄養素を摂取する
  • パートナーとの協力や育児支援サービスなどを利用して体の負担を減らす

ということが重要になってきます。

家事・育児支援サービスとして、ナーシングドゥーラがあります。

ナーシングドゥーラは、看護師の資格を保有するプロが直接自宅にお伺いして、育児や家事へのアドバイス・サポートをさせて頂きます。

産褥期はできるだけ安静にしているべき期間ですので、この期間だけでも支援サービスを利用するという方法もあります。

早朝・夜間のサポートや調理なども可能ですので、ぜひ検討してみてくださいね。

頑張らないことを頑張るのが産褥期です。